2008/02/28

revoir Paris

たくさんの都市を見ると、街の見方が変わってくる。
旅行の合間に、日本から来ている友人や後輩を連れて
パリを周って、改めてパリという街の息吹を感じていました。

しかも3日間で晴れ、曇り、雨のパリを見て、
どれもなんだかすごくパリらしくて、微笑ましかったり。

Marillon Cotillardはアカデミー賞まで受賞して、フランス映画界も万々歳といった感じですが、
昨日見に行った映画“Paris”は、フランス映画らしーい、ディーテルの素敵な映画でした☆
Juliette BinocheとRomain Durisが主演なので、日本でも公開されるといいなー。
パリの雰囲気が絶妙に描かれていて、パリを知ってる人は必見です。

トルコ人は人懐っこいと書いたけれど、
パリ人はおせっかいかも(笑)

友だちを連れて入ったレストランで店員のおじさんが
「そのネックレスかわいいねー」
と褒めてくれたので、
「ありがとうございます」
と言ったら、
「いやーお世辞じゃなくて本当にいいよ。」
と笑顔なおじさん。

「でも、黒い服に合わせたらもっといいね☆」
だそうです(笑) (そのとき私は紺の服を着ていました)

その後もなんとなく会話は続き、私がシアンスポで勉強していることを知ったおじさん
「あそこは入るの大変でしょう」
と言ったあとで、
「でも、最近はバラエティが増えていいよね、アフリカ系でもアラブ系でもいろんな人が入れるようになってきた」
と。レストランのおじさんもシアンスポの“アファーマティブアクション”をちゃんと追っていました。

次の日行ったスーパーでは、新聞を売りにきたおじさんが
「サルコジがついに動いたぞー」
と言うと、側のレジにいたおばさん、
「あら、ついに?動き時だと思ってたのよねー」
と反応。

エリート主義は色濃いし、格差を目の当たりにする日々だけど、
それでも、どこへ行っても政治が身近なのが、この国なのです。

2008/02/26

allahu akbar

さんざん迷った挙句、やはり今行かないと機会を逃す、ということで旅行に行ってきたわけですが、
行く先は、イスタンブール♪

西欧化されているとはいえ、イスラーム国に行くのは初めてで、すごく新鮮でした。   
  
(お祈りの前にモスクの前で手足を清めるムスリムのおじさんたち)
海辺の街並みや、1日5回聞こえてくるアザーン(礼拝の呼びかけ)も、
ビザンツからオットマンまで様々な帝国の跡がうかがえることも、
道で地図を広げると“Excuse me, you need help?”と話しかけておいて、(どう考えてもexcuse meって言うべきなのはこっちだと思うのだけど)それ以外の英語ができないためにトルコ語で必死に説明してくれる、
まさに「人懐っこい」という評判がぴったりのトルコ人たちも、
どれも素敵だったけれど、
恐らく一番印象に残ったのは、スレイマン1世の建てたモスクを見学したときのできごと。

靴をぬいで用意された袋に入れ、スカーフで髪を隠して中に入って、
イズニック(「公会議」で世界史に出てきたニカイアのトルコ語名です)タイルの鮮やかな青さに見入っていると、
入り口近くでお祈りをしていたおじさまが一人、私たちの方へやってきて、
トルコ語で何やら話しかけてきます。
わからなそうな顔をしていると、大丈夫、といった顔をして去っていった、
と思ったらすぐに戻ってきて手を出して、という仕草をするので、
手を出すと、タスビーフ(イスラームのお祈りに使う数珠、ロザリオのようなもの)を手にのせるのです。
このタスビーフ、外で売っているのを見たことがあったので、
外国人観光客に売りに来たのか?と一瞬警戒してしまったのですが、
胸に手を当てて、プレゼントだから受け取ってくれ、という様子。
さらに、ありがとう(後で訊きました)と言って再びお祈りに戻っていったのでした。
会話は全てトルコ語で行われたため、残念ながら彼の意図するところは想像するしかないのですが、
彼の信仰を私たちと分かち合いたいと思ってくれたのではないか、
分かち合うことに喜びを感じ、私たちのためにアッラーに祈ってくれたのではないか、と思うのです。
スカーフの巻き方も知らないので適当に髪を覆い、
神聖な祈りの場に、人間の痕跡を興味本位で眺めに来る私のような観光客を
受け入れるだけでなく、信仰を分かち合おうとすらするムスリムの寛容さに心を動かされたのでした。
トルコ語はわからないし、イスラームのこともよく知らないけれど、
おじさまの好意がつまっているであろうタスヒーブは大切にします。
ただし、そのあと、その様子を見ていたのか、私たちを除いてモスク内に1人だけいた女性がやってきて、これまたトルコ語で怪訝そうに何やら言われたのが、すごく気になりますが。。。

ともあれ、世界のことをもっと知りたいと思わせてくれるよい旅でした☆

BTW, ペルセポリスはセザール取ったけどオスカーは逃してしまったみたいですね、残念。
ノミネートだけでも充分という作者サトラピさんのインタビュー映像が見られたからいいけど。

2008/02/20

le monde

コソボの独立宣言。
カストロの引退宣言。

2003年もイラク戦争だったし、

そういう年にあたっているのか、それとも情報がたくさん入ってくるからなのか、
なんだかこっちにいるときはすごく世界が動いている感じがする。

そんな世界に飛び出すべく、
明日から旅行に行ってきます。

2008/02/19

victoire!!

今日は特別にお休み、
今週はお休み、
試験中はお休み、

と何かと閉まっていることの多いここの教務課。

メールをしても返事が来た試しがない教務課。

今日は意を決して、早起きして、
そんな問題児教務課に、闘いを挑みに行ってきました(笑)

「試験1週目に今週はお休み」という張り紙があったので、
次の週にもう一度行ったら、
今度は、「試験期間中はお休み」という張り紙に変わっていたので、(張り変えに来るなら窓口開けてくれればいいのにw)
今日行ったら「ヴァカンス中はお休み」って張ってあるんじゃないかと心配してたのですが、
とりあえず開いている模様。

というよりむしろ、来学期だけの留学生が到着したようで、人が溢れていました。

前に書いたように、ここの授業登録はオンラインの早い者勝ち。
最初の10分間、サーバーがダウンしてる間に奇跡的につながった人が登録して20人のクラスが満席になってしまう、なんてことも。

そんなわけで毎回いろんな問題が発生するわけですが、
私は、死守した授業が・・・開講とりやめになってしまったのです。

教務課からメールが送られてきて、リストの中から代わりの授業を1つ選ぶように、
とのことだったのですが、
その中に、私がどうしてもどうしても取りたかったのに、開始10分で満席になってしまっていた
「アフリカと開発」という授業があるではありませんか!!

ただし問題は、登録一番に満席になっていたので諦めて別の授業を同じ時間に入れてしまったこと。
その授業は大講義とゼミの2コマセット、だから変更となるとちょっとややこしい。

でも、本気なら、ここで引いてはダメなのがフランス。

開講とりやめになったのは向こうの責任なのだから、その損失を埋めてもらおうじゃないの!
っていうことで、教務課に説明しに行ったのが12月のこと。。。

「私たちは登録の何日も前から、授業全体のバランスを考えて時間割を何通りも組んで登録しているのに、1つの授業がキャンセルになったからって、代わりに同じ単位数のものを埋めれば済むっていう風にはできてないんです!」
とうったえる(笑)

「じゃ、とりあえずその旨をキャンセルのお知らせを送った担当者にメールで伝えておいて。彼女たち忙しいからすぐに返事はないと思うけど大丈夫よ、3月に新学期が始まるまでまだ時間はあるから!」
と、なんだか適当な窓口。。。


仕方がないので、リストの中から単純に1つの授業を選ぶだけでは済まないこと、大講義+ゼミの変更が必要な事情を説明したうえで、
「この授業は私の将来につながる非常に大切な授業で、この授業を取りに私ははるばる日本から来たんです!キャンセルになった授業もとても楽しみにしていたのに受けられないのは非常に残念ですが、せめてこの授業だけでも受講できることを強く願っております。私がどれだけ一生懸命時間割を組んだか、お察しいただければ幸いです。」
みたいな、めちゃめちゃな、熱ーいメールを送ってみました。


1月中旬のある日、
珍しく教務課からメールが届く。

「あなたの選んだ授業は、既にあなたが登録している別の授業と同じ時間にあるため登録できません」


だーかーらー(苦笑)
再び事情説明、前のメールで大講義の変更が必要なことを説明した旨を書いて返信。

以来、教務課からは一切音沙汰なし。


このままでは面倒な手続きはうやむやになってしまううえ、授業も1つ足りないまま。。。
もう、これは直接乗り込むしかないw

ということで闘いを決意した2月始め。
2週間ほどの閉室に出端をくじかれたものの、
今日やっとのことで、対面が実現したのでした。


「履修登録でちょっと問題があって、メールしたんですけど返事がないんですが・・・」
というと教務課のお姉さん苦笑い。

気を取り直してもう一度事情説明。

すると、

「そうですねー、もう大講義とセットのゼミはほとんど残ってないですよー」

といいつつも、法、社会学・・・と挙げてくれて、結局6限(しかも翌日は1限)というハードな時間割になったものの無事大講義+ゼミを1つ選ぶことに成功。

教務課:「それで、その登録したいっていう授業は何でしたっけ」

私:「アフリカと開発、です」

教務課:「あら、その授業はもう満席ですよ」

な、何のために大講義一生懸命変更したんだ・・・

私:「そうなんですか?!でも私がもらったリストには入ってたんですけど」(返事くれなかったのはあなたがたです、その間になくなったとは言わせません!)

教務課:「うーん。。。ちょっと確認してきます」

奥の部屋で事情を説明するお姉さん。数人が何やらコメントしている模様。

しばらくして、戻ってくると、

「同僚の人があなたのために、努力して、なんとかしてくれるって」

というわけで、なんとか、してもらいました!

さっき確認のメールももらって、大満足です。っていうか努力すれば満席の授業に空きができるんですね笑
この国では、交渉無しには何事も進みませんが、交渉次第でかなりのことが可能になるということです。

2008/02/16

maitre du temps

課題がない貴重な休み、後半は旅行に行くのですが、
前半はゆっくりしたかったのであまり予定を入れず。

それでも1日30分くらいは歩かないと、せっかく日も長くなったことだし、
というわけで本を片手にふっと散歩に出て、カフェによってエスプレッソ1杯で1時間くらい読書して帰る、という贅沢な暮らしをしています♪

でも私学校大好き子なんだよねー(笑)
フランスは生き急がない感じが好き、と書いたけれど、
こう、時間に対して自分があまりにも中心的に、主語となるのは不慣れで。

とはいえ旅行中はまた時間に追われることになるだろうな。
でもヨーロッパはどこに行くのもわりと近いのがいい。
私の夢は世界一周ですが(笑)

旅行といえば、先日2年前にシアンスポに留学していた先輩と会ってきました。
卒業前に大旅行をしていて、ギリシアあたりからヨーロッパをずっと北西に進んでアイスランドまで行った後、日本に冬服を置いて南半球に行くそう。。。

ちなみに5年前の先輩はENAに留学中でパリにいて、みんなで会ったのですが、
ここに留学していた先輩方はみんな活発。
私も見習おうっとエネルギーをもらいました☆

2008/02/14

St.Valentine

更新が遅れてしまいましたが、22歳になりました☆

朝から天気もよく、
マレ地区に行った帰りにふらっと立ち寄った教会で、
遠く離れた人たちに思いを馳せてきました。


22年間近くや遠くで私を支えてきてくれた人たち。

そして地球の反対側で、まだ出会っていないたくさんの人たちに。

22年目の感謝が一人ひとりの小さな幸せとなって届きますように。

そして私は1年の重みをしっかり受け止められるように、また一歩踏み出します。

ちなみに(?)今日はバレンタインデー。
日本ではよく誕生日特権で女の子の友だちが一番に手作りのチョコレート菓子をくれましたが、
こっちでは、男の子の友だちがバラを買ってくれました!


仲のいい友だちにサプライズパーティーまでしてもらって

家に帰ると・・・お隣さんの玄関先にこんなものが。

  思わず写真撮っちゃいました☆

2008/02/11

petit printemps♪

なんだか最近のパリはものすごく天気がいいのです。
家の中にじっとしていられない!ってことで今日も午後からお散歩に行ってきました。

私の名前じゃないけれど、本当に小さな春を感じます。
 
バルザックの家に行ったら庭にこんなお花が咲いていました! 
その後セーヌの中央に作られた「白鳥の散歩道」という人工堤防をのんびり歩く。
セーヌ沿いのパリの景色と絶好の青空は華そのものでした。
 

2008/02/10

partiel

partielというのは部分的という意味で、フランスの大学では中間テストのこと、転じて学期末のテストもこう呼ばれているのですが、オーケストラの練習で合奏と別に分奏のこともどうやらこう呼ぶみたいで。

私は試験は終わったのですが、partiel(後者の方)に行ってきたわけです。
学校自体はまだ試験期間中だったこともあり、ほぼソロ状態w
というわけで、指揮者としっかりインタラクションのできる充実した練習となりました♪

ヒンデミット(20世紀のドイツの作曲家)の曲をやっているのですが、
不協和音が美しい。
ジョージ5世の追悼のために作られた曲とかで、
「感情と思考の間」を表現した、エネルギッシュなピアニッシモが見事。
まぁその分難しいのだけど、勉強しがいがあります。


夜は試験勉強の気分転換(って私だけ一足先にヴァカンスでしたがw)を兼ねて
学校の友だちとチーズフォンデュを食べに行きました☆
一緒にいったローザンヌの子は「フランス人はこれをフォンデュと呼ぶのかー!」と大笑いでしたが、
お喋りな彼女につられて(お喋りなのは、彼女です、私ではありません)
久しぶりにいっぱい喋っていっぱい笑って楽しい一晩でした。企画してよかった。

2008/02/06

examens

今週は試験期間でした。。。
筆記試験は4時間なので1日2コマしか組めないし、
口頭試験に至っては一人ずつ受けるので数日間にわたって行わざるを得ない、
というわけで、教室の少ないシアンスポでは、国立の試験センターというところでいくつかの試験が行われます。

この試験センターは300人くらい入る教室が30個以上ある巨大な建物で、教育省の管理下で他にも資格試験や入試(シアンスポの入試もここ)などが行われてるみたい。
なにせ巨大な建物なのでそのための駅が作られたんじゃないかってくらいで、
高速郊外鉄道っていう郊外につながってる電車に乗って市外までちょっと遠いのですが、
私はフランス人学生必修の授業を2つも取ってしまったため、2回も行くことに・・・
7時過ぎに家を出て、13時近くまで試験っていうのはさすがにエネルギー消耗したなぁ。

でも、最近日が長くなってきていて、
試験が終わる頃には窓から日光が・・・ってことで、どうしても太陽を満喫したくて
春休みになったら読む!って決めてた本を図書館で手に入れて近くの公園のベンチで読書♪
日本で読もうと思ってて時間がなかったアルベール・メンミの本、
原語になったけど、春休みだしちょうどいいかー。サルトルの前書きつきだし。

というわけで、晴れて春休みです!
なんだか1学期頑張って受けたこのノートをもう見返すことはないのかぁって思うとちょっぴり名残惜しい気すらしましたが課題のない唯一の休みを満喫しますっ。
とりあえずメンミを3冊くらい読破したいな。

2008/02/03

existencialisme

高校からフランスで勉強している元同級生と再会。
思えばあの頃同時期にフランスに留学して、今またこうして2人ともフランスでの生活を楽しんでいるというのも不思議な感じ。

2度目の留学というと、よく、何でもう一度来ようと思ったのか、と聞かれます。
もちろん1年目を土台にさらに先に行きたかったとか、パリを知りたかったとか、学問的な理由とか、
いろいろあるけれど、
やっぱりフランス独特の生き方が気に入ったっていうのが大きい。

予期せぬことなんて毎日のように起きるから、

それを全部受け止めてしまっては生きていけない社会だと思うけど、

私たちはある意味程よく鈍かったみたいで。

どんと構えて生き急がなくなる。(フランス語ではprendre le temps a vivreという)

そして、小さなことでも自分なりの哲学を熱く語りたがるところも好き(笑)

フランス人は実存主義的な傾向があると思うって誰かが言っていたけど、

知識量ではなくて、各々が思考の主体であるっていうところがフランスらしいのかな。ときに暑苦しいですが。。。

テレビもバラエティ的なものがあまりなくて、夜は主に討論番組。
それも俳優から作家、政治家に至るまでジャンルを超えて議論が交わされるからすごい。
この前も、ジュリエット・ビノシュがドビルパンに「そこんとこどうなのよ」って感じで突っ込んでて面白かったです笑。