2008/03/30

action

今日からヨーロッパでは時計の針を1時間進めて、夏時間になりました。
1日だけ23時間になってしまう!ってことでちょっと損した気分だけど、
お陰でかなり日が長くなって、いよいよ春の訪れが感じられるのは嬉しいです♪

夏時間って省エネのために導入されたんですよね。
省エネといえば、土曜日の20時から1時間は"Earth hour"とかいうので、
1時間部屋の明かりを消してみました。

授業で散々「グローバリゼーションの時代である今日~」と言っているけれど、
それこそメディアを使えばこういった情報の波及はかなり速いはずで、こういう時代だからこそ、
小さなことでも行動に1人1人が行動に移せばやっぱりけっこう効果は大きいんじゃないかと思う。

同じくそうした1人1人の小さな行為を基盤とした運動がちょうど今週末は他にも2つありました。
  
1つ目は20日から特にパンテオンでやっていたのだけど、癌の研究のための募金運動で、
募金すると黄水仙がもらえるというもの。黄水仙には春の訪れを祝う意味もこめられているらしい。
テレビに出てる人も数名胸に花をつけていました。
2つ目は同じく病気ですが今度はエイズ予防のための募金運動。これは金曜日から週末の3日間ほぼ全てのテレビ局が協力して、特別番組をやったり、3日間常に画面の端っこに募金用の電話番号を表示したりして集中的に募金を呼びかけるというもの。エイズのレッドリボンは有名だけど、これも各局の出演者がほとんど皆胸につけていました。前に書いたLine Renaudという大女優なども積極的に支援していて、3日間で550万ユーロ集まったそうです。

2008/03/27

liberte d'expression

日本ではどの程度取り上げられているのかわからないけれど、
こちらではかなりチベットの問題が大きな争点になっています。
一応フランスは人権宣言の名においても「人権の擁護者」という意識があるらしい。
というわけで、以前に書いた人権担当大臣Rama Yadeがサルコジの訪中に付いて行かなかったときも
けっこうな批判を呼んでいたのですが、
今回聖火の点灯式で抗議の旗を掲げて割り込んだのもフランス人らしいし、
サルコジはオリンピックの開会セレモニーをボイコットする可能性を示唆したらしい。。。

点灯式の混乱中、中国では遺跡の映像が放映されていたというのだから
やはり問題がないとは思わないけれど、
なんというか、ce n'est pas à la France de lui faire la leçonという感じもする。
でもMSF時代に「介入権」を提唱したクシュネール外相は腰が重いと批判されています。

私としては単純に、各国代表が集まるとかそういうコンテクストは抜きに、
ただスポーツに長けた人たちの修練の結果を鑑賞するのはけっこう感動的で好きなんだけどなぁ。

一方レバノンではペルセポリスの公開が禁止されたらしい。
どうも禁止を発表した内務省は正式な理由を表明していないらしいのですが、
保安当局のお気に召さなかったとか。
とはいえ、レバノンでもこの決定は批判されていて、特にレバノン文化相はこの禁止が正当性に欠けるものだとして、内務省に禁止を解くように要請しているらしいのだけど。
ちなみに、レバノンには保安局による検閲というものが存在していて、その基準は
「宗派対立を招くようなもの、風紀や国家権力を毀損するもの、イスラエルのプロパガンダを助長するもの」だそうです。。。
で、この文化相は検閲自体に反対の立場を取っているらしく、今回もペルセポリスは「1つの視点を提供しているだけで、イスラームもイランも中傷されているわけではない」ということで、
この決定が覆されることに期待です。

経済的・物理的に安全が保障されていることと、表現の自由をはじめとする個人が自由に開花することが保障されていること、どちらが大切ですか?

2008/03/24

Argerich!!!

生アルゲリッチ聴いてきました!!
Festival de Lugano IIというのをやっていて、本当は
ミッシャ・マイスキー(vc)とマルタ・アルゲリッチ(pf)の共演
というプログラムに行こうと思ってたのですが、席がとれず、
それでもアルゲリッチ様が聴けるなら、ということで別の日の室内楽に行ってきました。

管弦はイマイチ(というか1stがあまりよくないという致命傷。。。)だったのですが、
やっぱりアルゲリッチ様は圧巻でした。(ちなみに彼女の娘がヴィオラを弾いていました。)

まずモーツァルトの4手のためのピアノソナタの2楽章あたりから、
1つ1つ丁寧に空間を埋める音を発していく彼女のタッチから音楽への愛がひしひしと伝わってきて、
ひたすら感動。

そして、1番よかったのはショスタコーヴィッチの2台ピアノのためのコンチェルティーノ。
ショスタコらしーい重厚さと輝きの曲自体も好きだったし、
彼女もかなり乗っていて見事だった。

やっぱり相当人気らしく、会場いっぱいの観客が終演と共に舞台近くまでどんどん押し寄せてきちゃってましたw
まー今回はソロじゃないし、バレンボイムのようにアンコールは弾いてくれませんでしたが。
それでもイースターイブに素敵なひとときを過ごすことができました☆

Happy Easter!!

2008/03/22

evolution

今日は空気が光に満ちていて
エッフェル塔の向こう側の空が大きかった。

毎日のように同じ景色を見て歩いていると、
ちょっとした気候、時間なんかの違いによっていろんな感じ方をするのが
面白くて、ついつい言葉にしてみたくなるのです。

でも、毎回エッフェル塔日記を書いても仕方ないので(笑)

最近はポストマテリアリズム(戦後生活水準がかなり高水準に達したことで先進国では価値観に変化がおきた、というような話)についての発表にはまって図書館通いをしているのですが
(というか一次文献的に扱いたかった本が図書館でしか閲覧できないw)
ふと、図書館前で先学期同じ授業を取っていた子に1ヶ月ぶりくらいに声をかけられて
放課後気分転換に出かけることに・・・エジプシャン・カフェに行ってきました♪

レストランもあるんですが、カフェの方はシーシャ(水タバコ)を提供しているので、
今年から「店内禁煙」の法律ができたために、テラス席。
といっても絨毯が敷いてあって、ちょっとテントのようになっていて、
低めの小さなテーブルを低めのイスで囲む形の、洒落た空間になっていました。

帰り道、方面が同じ友だちとメトロに乗りながら、
何かの拍子に地下鉄サリン事件の話に。。。
考えてみれば、昨日はちょうど事件から13年だったのでした。

同じく、イラク戦争からは5年。

世界の価値観は“degrade”してないだろうか。

2008/03/19

nocturne

雲の合間の月が遠くて、
今夜は妙に空が高く感じられた。

霧の中のエッフェル塔。

見慣れた景色の中にいつの間にか自分も馴染んでいた。

いつもより大きく見えた建物の下を
歩いてゆく私の足取りは心なしかしっかりしている。

2008/03/17

opportunity

いつものようにアンヴァリッドの前を通っていたら、
ふと、掲げてあるのが半旗であることに気づいた。
そう、第一次世界大戦フランス軍の生還者の最後の生き残りが亡くなったのです。享年110歳。
週明けには各国の軍人が参加してアンヴァリッドで告別式が行われました。

こうして第一次世界大戦はほぼ完全に「歴史の中」の出来事へと振り分けられるんだろう。

湾岸戦争は映像だけがうっすら記憶にある。
世界を意識するようになったのは9.11からだった。
そしてイラク戦争は1つ1つのステップをはっきりと覚えている。

確かに脅威は原動力になる。

でも脅威から始まることよりも本当はもっともっと考えたいことだっていっぱいある。

だから新しい時代への移行は1つの大きなチャンスなのかもしれない。
というか、チャンスであるべきなのだと思うのです。

2008/03/14

Israël


うーん、やっぱり国旗って強烈なシンボルだな。
イスラエル大統領シモン・ペレスの来仏に合わせて、
官庁街の通学路には最近イスラエル国旗がフランス国旗と共に大量に掲げてあります。

これは完璧に政治選択なんですね、だってカダフィーが来たときリビアの旗とかなかったし。。。

なにがあるのか、というと
今週末Salon du livre(謂わば書籍祭り)というけっこう大きなイベントが開催されているのですが、
なんとフランス政府は今年「建国60周年を記念して」イスラエルを名誉招待客に認定するという大胆な決断をし、シモン・ペレスもサロンに立ち寄るというのです。

これに対してアラブ系の出版社や、アルジェリア、チュニジア、レバノン、イランがボイコットを表明。
過去最大の動員数が見込まれてる今年のサロンも物議を醸しているわけ。

「イスラエル建国」を「祝う」というのは強い政治的立場の表明なわけで、
それを受け入れられない立場の人たちがボイコットという同じく強い反応を選ぶのもわかる。
ただ、せっかくユダヤ系の作家もアラブ系の作家も作品を通して表現しているのに、
せめてサロンが政治の道具ではなく、道具箱であってほしかったと思う。

リベラシオン紙には、Sayed Kashuaという「アラブ系イスラエル人」のヘブライ語作家と、
Bernard-Henri Levyという「ユダヤ系フランス人」の哲学者の対話が載っていました。
アラブ系の人が「イスラエル人」として生きヘブライ語で表現をする、というのはとても難しい。
言語って別に誰の所有物でもなくて、使用者が増えることで自分の分が減るわけじゃない、
むしろいろいろな人が使えば使うほど豊かになる可能性を秘めているのに、
正当化の必要なく好きな言語で表現するということがどうしてこれだけ受け入れられ難いことなのか
って外国語にふれる度によく思う。

政治と文化がここまで密接に関わっているのはフランスならではという気がするけれど、
ユダヤ系もアラブ系も大規模なマイノリティーを抱えている国だけに、
軽視してはならない論議なはず。

2008/03/11

Afrique

待ってました、ピンポイント・アフリカ、な授業。
というわけで、この際英語だからーとも言ってられないので、覚悟を決めて登録したわけです。
しかーし、この授業毎回リーディングがあるんですね、4,50ページ。
もちろんin English ひぇ~。って当たり前か。いやーでも毎週フラ語で100ページっていうのとどっちが大変だろう。
まー50ページなんて1日で読めるのかもしれないけど、1日で読まなきゃいけないようなことにならないようにしたいものですw

そんなアフリカ漬けの日々ですが、先日は、日仏友好150周年に関連付けて、今年第4回が開催されるTICAD(日本政府主導のアフリカ開発会議)についての講演会を大学でやっていることを教えてもらい、聞いてきました。
前にアフリカの「開発」に関連した講演会に行ったときと共通して「アフリカの声」という立場での発言の中で疑問に感じたことが2つ。

①アフリカの可能性、を述べるときは決まって、豊富な地下資源がキーとなる。
この言説がどうしても、「資源にすがる→紛争→汚職→貧困」という単純化されすぎた公式を浮かび上がらせてしまうように思えてならない。

②ネオコロニアリズムはうんざり!と若干感情的に雄弁を振るう。
これに対して、「フランス側」の発言者、発言の調子が強ければ観客も、「中身のない感情的な発言、これだからアフリカに任せては効率が悪い」という顔をするので、対話は進まない。

もしアフリカの民衆の多くが西欧に対して条件反射的に警戒心を抱くとしたら、どのような協力ができるのだろう。
植民地主義を引きずる西欧が、アフリカ出身の独裁者をどこまで非難できるのか。特にその独裁者がアンチ・西欧を掲げて民衆の支持を得ていたら。

自分がどこまでニュートラルな見方ができるのか。
そのためにはまず、授業を通していっぱい情報を掴もうと思います。

2008/03/08

la neige d'ete

バイトで知り合った演出家の宮城聰さん(静岡芸術劇場の芸術監督)がDaniel Mesguich
と共同演出をしている作品『夏の雪』を観てきました。

他人の罪を被って処刑された女性の無実を証明するかのように真夏に雪が降りしきる、という中国の古典を上演する、という劇中劇。時代は文化大革命直後の中国で、劇団員の家族が同じく不当な死を遂げるに至るまで、途中から2重のストーリーラインが見事に重なって、美しい作品でした。

主演もク・ナウカの女優だったので、
行く前に見た『奥州安達河原』(これも古典を題材にしていた)を思い出しました。

宮城さんの作品はいつも演劇というのが、かなり哲学的な作業だということを思い出させてくれる。

情熱がなければ芸術は生まれないと思うけれど、
コンセプトのしっかりした芸術ほど共鳴するのではないかと思う。

アヴィニョン行きたいなぁー。

2008/03/05

2nd semestre

フランス語で2番目、という序数はsecondeとdeuxiemeの2種類あります。
違いは、deuxiemeにはtroisieme以降が続くということ。
だから例えばフランスの第二帝政は2nd empireなのに対し、第2共和制は2eme republique.
第二次世界大戦を2ndと言う人と2emeと言う人がいるのはちょっと興味深かったり。。。

というわけで、今週から始まったのは2nd semestre...
つまり泣いても笑ってもこれが私にとってこの留学の最終学期なわけです。

既にいくつか授業があったのですが、手ごたえは充分すぎるくらいw

今学期の大講義+ゼミのセットは2つともシアンスポの得意なEUについて。

EU議員でもある社会党のPierre Moscoviciは、政治家だけあって弁がたつ。
ちなみに彼、有名なpsychologueとpsychanalysteの息子っていうすごい家庭。
私の尊敬する先生の先生の息子っていうのもちょっと気になるところです。。。

他の3コマは全て卒論関係。
実現は難しいかもしれないけれどちょっとした目標も見つかったので、
見えてきたゴールへ向かって=3

2008/03/03

semaine active

ヴァカンスも終盤にして、

ローマ、フィレンツェ、シエナ、ピサを旅行してきました。
  

2泊3日と短かったので強行スケジュールだったので、
見足りないところはいろいろとあるのですが、(バチカンとかー)
予想外に長く時間を過ごすことになったシエナが一番お気に入りでした♪
ローマ以上に坂がいっぱいあって大変なのですが、城壁の中の街並みがとてもいい。
天気もよかったので、市役所のあるカンポ広場は最高に気持ちがよかった。

帰国翌日、ヴァカンス最終日は、月の第一日曜日=国立美術館はタダ、ということで
オランジュリー美術館へ行ってきました。
ジヴェルニー(モネの庭)に行く約束をしている友だちと一緒だったので、
睡蓮の有名なオランジュリーは下準備♪
360度睡蓮の2部屋も圧倒されるけれど、この美術館は地下にあるPaul Guillaumeという人のコレクションがモネ、ルノワールから、セザンヌ、ピカソ、マティス、ユトリロまで、すごく充実していて見応えたっぷりでした。

ローマでは現在イタリア留学中のフランス人の友だちと、
フィレンツェからは春休み中の大学の友だちと再会し、
美術館はシアンスポの友だちと久しぶりに集まって、
その後さらにパリに遊びにきている大学の後輩と再会、
とにかく常に積もる話が尽きず、いっぱい喋ってなんだか元気になりました。

明日から新学期・・・ちょっと緊張(笑)