2008/06/30
pic-nic
特にヨーロッパの学生はヴァカンスはまさに非日常を満喫するもの、というわけで、
たいてい家族と長期旅行にのんびりと出かけるという人が多いよう。
そんなわけで学期が終わるとフランス人学生はいそいそと実家へ帰り、
留学生もさっさと帰国・・・というケースが多くて、試験期間中からフェアウェルパーティーの連続です。
シアンスポは3年目に全員留学することが義務づけられている(大学への交換留学か大使館などでのインターン)ので、今年一緒だった人は、正規の学生も留学生もだいたいパリを離れ来年度は世界中のあちこちにいることになるから、みんながみんなとバイバイなのです。
ホームパーティーとか、バーに飲みに行くとか、いろいろあるけれど
やっぱり天気もよく日も長いこの時期はピクニックをする、というのも恒例行事。
そういえば、パリに着いたばかりのころ、オリエンテーションのプログラムでみんなでピクニックをしたっけ。
そのときは道端?とちょっとびっくりしたのだけれど、pont des artsは歩行者専用の橋なので、
パリの学生はこの時期よく橋の上でピクニックをするのです。
他にも国際学生都市という大学寮の集まったところの中庭や
シテ島のセーヌ岸、エッフェル塔の下のchamp de mars、アンヴァリッドの前の芝生などなど
パリにはちょっと集まれるところがいっぱい。
みんなでバゲット・チーズ・ワインを持ち寄ればあっという間にパリ風ピクニックができるというわけ。
日本でピクニックというとお昼におにぎりを持って、というイメージがあるけれど、
この時期のパリは22時まで明るいから夕飯代わりにやることの方が多いかも。
夕方のセーヌの景色は最高にきれい。
パリのこういうところがきっと懐かしくなるんだろうな。
日曜日は2年生と留学生、シアンスポのまるまる1学年分くらいを集めて
「最後にもう一度さようならを」という大規模なピクニックだったのだけど、
いくらこれは単なる“auREVOIR=また会うときまで”だと言い聞かせても、
仲良かった友だちと、1年を振り返りながら一緒に過ごせてよかった、なんて言い合っていると
予想以上にグッとくるもので、本当に忘れ難いひとときでした。
でもきっとみんなと再会するのはやっぱりまたパリな気がする。
パリは今も昔もそんな街なんでしょう。
2008/06/27
Union europeenne
振り返ってみるといくつもの課題を乗り越えてきた気もするけど、
何よりもあっという間で、もう何もないのかと思うとものすごく不思議な感じ。
そんな最後の試験はEUについてでした。
フランスでのEU憲法否決以来危機に陥ったEU。
2008年下半期、フランスが議長国になるのを機にEUを危機から脱することができるか・・・
改正案のリスボン条約がいかに重要かが強調されてきただけに、
授業の最終回直前にアイルランドの国民投票で条約が否決されて、この授業で学んだことは水の泡?!と混乱気味でしたが(笑)
3時間以内に4問中3問選択で小論文を書くという試験。
1)ユーロは成功策か。
2)国家はEU建設の唯一のエンジンか。
3)EUはパワーか。
4)フランスはEU議長国として成功できるか。
シアンスポ風の答案はこれらの問いに対してYes and Noと答えるのが通例(笑)
私が選んだのは2~4.
まず題目をよーく眺めて一つ一つの単語を研究します。
例えば(2)だったら、国家のほかにはどんなアクターがあるかな、EU建設を代表するステップは何だろう、加盟国イニティアティブだったかな、国家はエンジンだろうけど唯一ではないな、エンジンでもあるけどブレーキでもある、などなどブレインストーミングをしていくわけ。
そうしてでてきた論からパラドックスを組み立てる。例えばこの場合はEUは国家の集合、つまり27個の異物を足してできるわけだけど、同時に1つの連合帯なわけで、そこには"intergouvernemental"と"federal"の対立があるとかね。
このパラドックスに基づいて構成(イントロ(題目定義)・第一章(1)(2)第二章(1)(2)・結論)を練ります。
まず国家がいかにEU建設において重要な役割を占めてきたかを証明したあとで、しかし国家のエゴはまさにEU憲法のNONに見られるようにEU建設のブレーキにもなりうることに触れ、国家以外のアクターもエンジンとなりうること、超国家性を強調したEU委員会は立法・行政において大きな力を持っているし、EU市民が一体となって選ぶEU議会もまた、EUの民主制を尊重するうえで重要であることを述べる。よって国家はEU建設の重要なアクターではあるが、唯一のアクターであってはならないという結論に至る。といった感じかな。こうしてシアンスポ風の答案ができるわけ。
ただし今回の試験はかなり時間が足りないことは(というか4時間試験でも足りなくなりうる。。。)
前回中間で2時間で2問回答しなくてはならなかったときに経験済みなので、
ひたすら答案を仕上げることに集中してなんとか3問解きあげることに成功。ふぅ。
7月1日からついにフランスは議長国になります。
どうやらエッフェル塔はEU色に青く点灯するようになるらしい。
先生によると議長国成功の鍵は「パートナーの尊重」「謙虚さ」(←これ完全にサルコジへの嫌味な気がw)「模範となること」だそうですが、EU建て直しへ、要注目です。
2008/06/24
Lutetia
創立100年近くになる歴史あるホテルで、
マティス、ピカソやアンドレ・ジッドなども常連だった、左岸の知識人の拠点と言われるところ。
最近では“Chaos”(邦題:女はみんな生きている)という映画のクライマックスの舞台にもなっているのですが、第二次大戦時は、フランスを占領したナチスの拠点となったのもこのホテル。
強制収容所が解放されて、生き残った人々が家族の迎えを待ったのもこのホテルらしい。
先学期はこの前を通って入る校舎での授業があったので、毎週前を通りながら、
クリスマス頃にはきれいなデコレーションをいつも見ていたのですが、
先日ついにその中に入る機会に恵まれました!
数ヶ月前の投稿で恐らく書いたゼミの夕食会"diner de conf"、大抵は近くの手軽なレストランに行ったり、あるいは授業内容にちなんで例えば私の取っていたアフリカ関係の授業ではアフリカ料理を食べに行ったり、時間がなければ近くのバーで軽くアペタイザーという感じなのですが、
文化政策の授業ではなんと、先生がクラスみんなをこのホテルLutetia付属のバーに招待してくださったのです。

一人ひとりにはちょっと大きすぎるくらいのゆったりとしたソファーに腰かけ、
一生に食べた中で最もおいしいオリーブをつまみ(大げさに聞こえるけど、私普段は別にオリーブって特に好きなわけではないのですが、ここで食べたのは積極的においしかったw)
シャンパンをごちそうになるという、なんとも贅沢な打ち上げになったのでした。
この授業なにかと異彩を放っていて面白かった。
他の授業と違って個人の感じたこと(≠考えたこと)を表現することをよく求められたというのもそう。
メンバーも4分の1が南半球(オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチン)から来ていたり、
極東出身の私もきっと“heterogeneity"を増していたに違いない。
先生はそれをとても喜んでいて、よく私の意見を求められました。
こうやって新しさを取り入れていこうとする風潮はパリ全体に見られて、
それはすごくよいことだと思う。(と、コンテンポラリー作品を積極的に上演する劇場やオペラ座を例に最終面接でも答えました)
でももう1つ。私の生まれ育った環境は、そんなに異質なものではない。
フランス人が想像するよりもずっと、似たところはいっぱいあるんだよっていうことも伝えたかった。
違いを見つけて面白がるのは簡単だけれど、ときには共通点を見つけることの方が大切なこともあるのです。
2008/06/21
musique♪
2008/06/18
Chartre
2008/06/16
amitié
留学した高校の始業の日に一番に話しかけてきてくれたチャーミングな子。
街まで遊びに行こう(田舎なので中心街/その他に別れてる)って誘ってくれたり、
隣に座ってノートを写させてくれたりして、
身長も同じくらい、いつも一緒、という感じでいつの間にかいろんなことを話す仲になっていたのです。
でも本当は性格はまったく違うし、私の友だちにはいないタイプで、
いつの間に仲良くなったのかちょっと不思議なのだけど(笑)
もう6年も続いているわけです。
で、今年も私が「里帰り」したときにも再会したし、彼女も何度かパリに遊びに来てくれたのでした。
月曜あたりに彼女から留守電が入っていました。
「今週の土曜パリに行こうかと思うんだけど、いい?」
しかしこの土・日は授業もほぼ終わり、かつ試験まで少し間がある、ということで
前々からパリ近郊の小旅行を企画していたのです。。。
「土曜日は17時過ぎの電車でパリを出ちゃうから、せっかく来ても短くなっちゃう」
と言うと、
「でも私来週からはバイトだからパリに来る機会があるかわからないんだよね。
やっぱり帰る前にぜったい会いたいし、17時まででもいいから行ってもいい?」
ということで会いに来てくれたのでした。
課題にうなされて眠い目をこすりながら9時に駅に迎えに行って、
リヨン駅の側のカフェで朝ごはんを食べ♪
クリニャンクールの蚤の市を周り、
彼女はショールとパンプスをGET(計なんと11ユーロ!)
その後パリの日本食が食べたい!(彼女の勉強しているディジョンでは寿司1巻5ユーロという衝撃の高さらしい)というのでオペラへ。
お腹いっぱいになったところで、夏のセールに備えて下見!というわけで
シャトレへ。
「何このお店~大きなサイズしかないじゃなーい」
とちびっこ二人が文句をいいながら、あの店この店と寄ってみる。
その後les Hallesまでお散歩。ここは昔大きな市場があったところらしく、その景観を残しつつ
地上は再開発されていて、教会とそれを囲むように植物園の散歩コースのようなものができていて
すごく気持ちいいスペースだということを今さら発見しました。。。
私の電車はモンパルナス発だったので、その時間に合うように先に彼女をリヨン駅まで送るまで、
ノンストップで楽しいひと時を過ごしたのでした★
と、同時にこれだけ「終わり」が迫って感じられたのも初めてだったかもしれない。。。
一通り別れを述べて、彼女をホームに残して駅の階段を下りていると、携帯にメッセージが届きました。
彼女から一言、
“Tu me manqueras...” (I'll miss you...)
この短いメッセージに想いがすごく伝わってきてなんだか無性に感動したのでした。
2008/06/10
victoire
といっても、
授業が終わった、皆勤賞!というわけでもなければ(まだあと1週間+試験)
課題を全部出し終わったーというわけでもないのですが。
返金してもらったのです(笑)
というのも、オリエンテーションは語学の部と方法論の部に分かれているのですが、
私は両方に参加申し込みをしていました。
(ただし語学の方は免除になる資格レベルというのがあって、私はそれを持っていたのですが、
それでも学ぶことはあるだろう、ということで敢えて申し込んだのです。)
ところがいざオリエンテーション初日になってみると、
「あなたは資格を持っているから語学の部は来なくていい」と言われる。
「来てもいいんですか?」(というかこれ、実は日本から国際電話をかけて確認したはず。。。)
「うーん、ダメ!でもちゃんと返金するから!」
ということで参加を拒否され代わりに差額の返金の約束を取り付けたのでした。
しかし待つこと○○ヶ月・・・(その間何度も確認しに行ってその度に何月になったら取りかかる、だとか、あとどれくらいでできる、だとかいろんなことを言われて待たされたのでした。)
でもやはりくれるといった連絡は来るはずもなく、4月になってさすがにこのままでは帰国に間に合わない勢いだと思い、事務所に直接訴えに行ったところ、
「方針が変わって返金はしなくなった」
「経営陣の方針だから文句があるなら学長に言って」
という意味不明の通達を受け・・・どう考えても納得できなかったので、
「どう考えてもおかしいと思うので説明してください。学長に説明する前にこの不当な処置が解消されることを切に願います。」
みたいな脅迫メールを丁寧に送りつけさせていただいたところ、
半年以上も待たせた事務所から速効で
「こちらの手違いでした、なるべく早く返金いたします。」
という返事が来たのでした(笑)
で、そこから実際に小切手を受け取るまでさらに1ヶ月半くらいかかったのだけど、
「この前事務所に伺ったときあと2週間と言われてから1ヶ月近くが経ちますが、問題がおありでしたらなるべく早くお知らせいただけますか。」
と言ったらやはり即日で
「小切手の用意ができましたので取りにいらしてください。郵送も可能ですのでその場合はお知らせください。」
という返事が来てやっと取りに行ってきたわけです。(郵送してもらったらもっと届かないかもw)
全9ヶ月くらい・・・この返金には倍の価値を感じてしまう。
それにしても、何もしないと損をし、怒ると急にことが進むという構図が面白いくらいにはっきりあらわれた交渉でしたw2008/06/07
gala
パリにあるというのも理由の1つ、まず会場が豪華・・・毎年有名ホテルのホールを貸し切っているらしい。今年はWestinホテルでした☆
パーティーは2部に分かれていて、第一部は卒業学年の5年生のためのディナーで、
2008/06/04
complet
明日は月の第一日曜日だよ!といつもの友だちに声をかけられました。
うわぁーバタバタしてしまって、ついにすっかり忘れていました。
でも美術館めぐりももう最後かもしれないし、朝から行けばちょうどいい気分転換。
ということで、ギメ美術館というトロカデロにあるアジアコレクションで知られる美術館に行って来たのですが、予想以上によかった!
インドや東南アジアの仏像コレクションから始まって
東アジアの陶器、屏風に至るまで充実ぶりはこの分野ではヨーロッパ一だとか。
企画展でやっていた北斎の展示に行くのを断念するほどたっぷり見学しました。
実はこの美術館を以て、私たちはパリ内の国立博物館を制覇したことになります。。。
こんな日が来るとは・・・感慨深い(笑)