2012/06/15

Expérience passe science



(再)留学1年目の成果を具現化するとこんな感じ。

ようやく、という気分だけど、今の学校に正式に登録してから正味半年というところでしょうか、
例の仕事場で取り組んできた論文が受理されました。

計画通りにことが運ばないというのは研究の常で、
むしろ矛盾があることが解法の鍵になったりするものではありますが、
そもそも計画を立てることすらできないのがフランスという場であります。笑

そんなわけで最後の最後までサプライズでいっぱいの行程を紙面に収めるのは
ちょっとした力技だったけど、その分達成感も充分。

審査の冒頭で謝辞を述べるのだけど、形式を超えて本音が表われているのが伝わったのか、
指導教員も微笑をもらしていました。

なぜって、たとえば審査の日程調整まで私がやったので、
「お集まりいただいてありがとうございます」なのだ。

審査員は主査となる指導教員が副査を指名して、その審査員同士が指定の期間内で日程を選択することになっているのだけど、主査も副査も出張×出張で、
お会いするたびにその旨をそれぞれ私に伝えてくるので、
提出1週間前にして、今、1階に○○先生がいらっしゃるので、と指導教員を研究室から
ひっぱり出してしまいました。

しかも

日程調整が難航したために、指導教員が2人目の審査員を指名していて、
結果審査員は3人になるという展開。

この2人目の副査というのがダカール大学の先生なのだけど、
審査を引き受けてくれるという のでてっきりパリに出張なのかしら、と思ったら、
その連絡をくれた指導教員のメールには気になる続きが書いてありました・・・







そんなわけで「お集まりいただ」けなかったのだけどね。
だいたい日程調整が難航したおかげで、スカイプ審査は翌日に延期になってしまったことが、
審査当日に伝えられ、まさかの2日連続審査だったのでした。

でも審査に入ってくれた3人の先生は3人とも、
とっても振り回してくれたけど、それだけお世話になった先生でもあるので、
その豪華メンバーが、なんと1人約1時間ずつくらい、コメントしてくれたのは
すべての行程のとっても贅沢なハイライトだったに違いないのです。

ちなみにこの1年は、来年以降の足慣らしだったのだけど、
準備運動には十分すぎるくらい、いろんな経験をさせてもらったような。

経験は「させてもらう」ものだというのは、中高時代に教わったのだけど
こうして振り返ると、まさにその感覚が鮮明に浮かんでくる。

経験になることは、突然振ってくるからこそ、試されるものの、
それが経験になるころには、既に獲得されたものとなっているということ。
その意味で、経験は与えられるものなのだ。

それに試練になることは、そうそう1人で乗り越えられるものじゃない。
いろんな方向から支えられて、やっと乗り越えると、経験が得られる。
だからその経験は、いろんな手によって与えられているのだ。

この経験をさせてくれたすべての人に
この場を借りて、改めてここに謝辞を記したいと思います。