2009/01/24

Black diamonds

たまたまついていたテレビから、
Black Economic Empowerment (: B.E.E.)という単語が聞こえてきて、
思わずその番組を追った。

南アフリカの特集。
南アフリカでは、アパルトヘイトで生まれた格差を是正するために、
BEEと称して、株主や経営者に占める黒人の割合を増やすなどの黒人優遇政策が採られてきた。

いわゆる経済界の実権を握る階層のほとんどが、いまだに白人であることを考えれば、
この政策の持つ意味はわかる。
信じられないようなことだけど、私が小学校に通っていたころ、
この国には支配と被支配の2つの「人種」しか存在しなかったのだから。
・・・もし小学生の私がこの地に足を踏み入れていたら名誉白人という支配人種にカテゴライズされていたのだ。


けれど、この政策はblack diamondと呼ばれる、黒人の富裕層を排出しただけで、
貧困層には無縁のものだった。
そのことによって、黒人の間にも大きな格差が生じ、暴力のもととすらなった。

というような話。

黒人エリート。
彼らは長年の夢をようやく手に入れたサクセス・ストーリーの体現者でもある。

一方、かつての黒人居住地区だったソウェトは今もスラム街だけど、再開発が進み、
2010年のワールドカップに向けてスタジアムも建設中だとか。

マンデラの許しと共生。それがなければ未来には進めない。
サンゴールの忘却も同じ構造で、
忘れる(J'oublie)と詠むことで忘れ難き過去を永遠に詩の中に記憶し、
一方で対話と共生の未来のために、忘却の意思を表明したのだと思う。

しかし、未来に進むことのできる基盤はそう簡単にはできないんじゃないか。
エリートと民衆の乖離も、その基盤の脆弱さを象徴していると思う。

2009/01/17

finito!!

しばらく更新が停止してしまってごめんなさい。
ちょっとした反動でパソコンに向かって文章を量産する気になれなかったもので。。。

というのも、

14日に卒論を提出してきたから♪

製本された50ページの厚みにちょっと達成感。

  
題して、『アフリカの知的エリートの思想形成における植民地主義の影響―サンゴールの場合―』

読んで感想をくださる奇特な方がいらしたらご一報を。(注:フランス語)

フランス語でちょっとした雑誌論文くらいのものを書くということは、
学部4年の私たちには、もちろんそれなりの労力を要すること。
でもやっぱり、それなりの労力を費やせば、それなりの収穫もある。

現時点でこれだけ集中的に文献に目を通したことはなかったし、
50ページ書いたこともなかったから、
語学だけでも少しは力が伸びたはず。

論文の書き方ということに関しても、学んだことは多い。
冬休みに初稿の書き直し作業に入って、
中間発表のために用意した自分の草稿の拙さに愕然。。。
とすると同時に、初めて進歩を実感できた瞬間でもあった。

2年生になって進学先を決めるとき、
今のところに進もうと決心する決め手となったのが
この卒論の存在。

フランス語で1つ論文を書くということに挑戦してみたいと思ったから。

そして唯一全力を出せたと思えることかもしれない。
「卒論だから~」と言っていろんなサポートをくださった皆さんのお蔭です。

本当に一人じゃ書けなかったよ。
merci à tous!!

2009/01/08

sept herbes


せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ

春の七草で七草粥。

それにしても1月はいわゆる「日本的」な習慣がたくさん残っている気がする。やはり1年の初めだからなのか。

お正月らしいことはあまりしなかった我が家でも、
祖父母から送ってもらったつきたてのお餅と、叔父からもらったナマコと、
子どもたちの好きな紅白なますは食べました笑。
以前フランス人の先生に「ナマコって何?」と絵を描かされたのだけど、
絵に描いて説明するモノでは決してない気がする。。。

年末に近所を歩いてみると、見る家ほとんどが松飾りをつけていたり、
授業が再開して学校に行けば、みな口々に「おめでとう」と言う。
やがて成人式には振袖姿の新成人が街にあふれ、皇居では歌会始。

歌会始って今でこそ天皇は燕尾服、皇室の女性たちはカラフルなドレスで、テレビ中継だけど、
お題を決めて持ち寄った歌を披露し合うというのは、よく古文とかに出てきた世界ですよね。
文学的才能がステータスになるというのは風情があっていいなと思ったり。

そういえば先日、学部長が荒川洋治を引いて
「実学偏重の世の中だが、文学こそ実学である。」という話をしてました。
今の世界情勢ではいわゆる実学の脆弱性が露呈したようなものだが、言葉というのはときに
その人の世界観を変えるほど大きな影響力を持つという点で真に力を持つといえるのではないか、
というようなお話。

彼の詩は読んだことないので、コンテクストはわからないし、学問云々という観点では疑問も残るけど、
ことばの力は実によく表現されていて共感する部分もあるなあと。
ことばの力に気づくときが何よりも感動するもの。

2009/01/02

famille

うちは4人家族。
でも去年は私がいなかったから、3人でした。
さらに4月からは姉が実家を出たので、両親2人。
夏に私が戻ってやっとまた3人。
とはいえ、平日は特に家に揃わないこともしばしば。

そんなわけで、珍しく家で過ごすことになったこのお正月は、
一家4人が久しぶりに集って、却ってにぎやかで、
卒論のために家に篭っていた分、ゆっくり充電できたのでした。

インスピレーションのわかないレポートを抱え、
大晦日のお祭りを境に眠りについてしまった街をにらみながら、
ろくにお正月気分も味わえずに過ごした元日が、
もしかしたら去年一番きつかったかもしれないなどと思い出しながら、
今年は質素でもあたたかみのある、いいお正月だったなぁと、
4つ並んだティーカップを見て、しみじみと幸せをかみしめたり。

鶏口より牛後、小さいながらにいつも背伸びをして大きい人たちについていくのが好きな私ですが、
今年は地に足をつけて、足場を固めるのが目標。
見栄を張らずに穴を丁寧に埋めること、それができる進路を考えたつもり。