2009/03/08

repetition

三越でやっている土門拳の写真展に行ったついでに、
隣ビルで展示してある三井家のおひなさまを見てきました。

それで、ふと思い出して久しぶりに読んでみた、石井桃子作『三月ひなのつき』

  

小学生のころ、たぶん主人公のよし子と同じ年のころ、本棚に見つけて読んだ本。
母に話したら、自分の成長と共に、年々違った捉え方ができるから、毎年おひなさまの頃に読んでごらん、と言われ、そんな本の読み方があるのかと新鮮だった覚えがある。
というのも、当時の私にとって、新しい本を読むことはいいことで、
気に入った同じ本を何度も読むのは、なんとなく怠惰な後ろめたいことのような気がしていて、
毎年繰り返して読むことを推奨されるなんて、なんだか特権的な感じがしたのだ。

それでも結局すっかり忘れて全然読まなかったこともあったけれど、
時々こうして思い出して、もう何度も読んだ。

一年前の3月3日に父親を亡くし、お母さんと二人でつつましく暮らす小学生のよし子が、学校の帰りにデパートのショーウィンドウでおひなさまを見た、というところから話は始まる。
よし子のお母さんは昔木彫りのとても素敵なおひなさまを持っていたのだけれど、
それが戦争で焼けてしまって、でもそのおひなさまがあまり素敵だったので、
規格品を買い与える気になれず、よし子はまだおひなさまを持っていないのです・・・

本の紹介には「ひなまつりを通して母と子の心の交流をすがすがしく描いた童話」と書かれている。

昔読んだときは、よし子の気持ちを毎年いろいろな角度で捉えていたのが、
今はもうお母さんの気持ちを考える部分が多くなった気がして、ちょっと感慨深い。


「ママは、あなたが大きくなるまで、毎年おひなさまのころにこの本を出して読んでほしいと思います。きっとママの気持ち―何故この本を読んでほしかったかという―が段々にわかってくれると思います。」
忘れていたけれど、巻末には祖母から母へ、こう書き添えられていた。

母も何度も読んだのだろうか。
私も自分のおひなさまって持っていないのだけど、
この本をこうして母娘で読み継いでゆくことがその代わりをなしてるみたい。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

なんか、イロイロな図像が重なって、この本を読んだら号泣してしまいそうです(笑)しっかし、母親に本を薦められたことなぞ一度も無かったなぁ。。。なんか寂しい。娘が出来たら、代わりに毎晩寝る時間にありったけの愛情を込めて朗読してやろう(笑)。

petit.printemps さんのコメント...

「母娘の心の交流」を描いた本だけに、同化して読みやすく、私も思い入れのある本です。母娘の絆ってなんか独特のものがあると思うんですよね。
本を薦める代わりに、お子さんをモデルに寸劇書いてあげたらいいんじゃないですか?!笑