1年間の「隠遁」生活の埋め合わせというわけでもないけれど、
今月は週1のペースで展覧会を訪れました。
こっちの展覧会は開催期間がけっこう長いのだけど、
「書き入れ時」という発想はないので休暇期間になると、
だいたいいろんな催しも終わってしまうので、駆け込みで。
で、実は初めて足を踏み入れたのが、アラブ世界研究所。
ジャン・ヌーベルの建築が美しいこちら↓
「身体」をテーマとした作品を集めた「発見された身体」展のコンセプトは
身体を覆う装いが強調されるイスラーム世界に対して極めて挑戦的にも思える。
この施設はいったい、どのように位置づけられるのだろう、と思っていたら
ちょうど現所長の退任表明がニュースになっていた。
なんでも新外務大臣のファビウス氏が「運営体制の刷新を通して、研究所の改革を図る」方針を発表したのだとか。
ということは、この機関は外務省の管轄にあるらしい。
現所長のミュズリエ氏はサルコジ時代に外務大臣も経験しているUMP党員の議員で、
政権交代の影響をもろに受けるのも納得がいく。
ちなみにマルセイユ出身のミュズリエ氏は地中海連合の推進者の1人。
外交の中に組み込まれたこの文化施設は、まさにフランス政治の一角だ。
1987年、開館にあたって当時の大統領ミッテランが行った演説はこう結ばれている。
「この研究所を通して、われわれフランスが他の民族に対して友情と愛情と敬意を示すことを任務としていることを伝えたい」
フランスとアラブ世界の交流を促進することを目的とする研究所は、
フランス政府とアラブ連盟の加盟国との連携の場として構想されたのだけど、
演説のなかでは「われわれフランス」と「あなたがたアラブ」の二分化が極めて鮮明になされているのも印象的。
フランスには「任務」があって、交流は「支援」「アラブ諸国の発展へ向けた努力への理解」という定義を与えられていたりする。
・・・研究対象で扱ってる1940、50年代の文章とトーンが同じだわ。
それもそのはず、ミッテランは1950年代の海外領土省(旧植民地省)大臣なのです。
そのあたりの連続性も掘り下げる必要がありそうですが、
選挙期間中さんざんフランソワ2世と評されたオランド政権下で研究所はどういう方針をとるのか、
11月の所長交代も注目です。

0 件のコメント:
コメントを投稿