パリはここのところ連日の陽気で、
みんな夏の最後のひとかけをつかまえようと、競って外に出ています。
というわけで、私も友だちに誘われて美術館に行ってきました。
パリの北のほうにあるロマン派美術館(Musée de la Vie Romantique).
もともとAry Schefferという画家のアトリエで、肖像画家として知られていた彼のもとに
ドラクロワ、ジョルジュ・サンドとショパン、リスト、ツルゲーネフやディケンズなど当時の名だたる芸術家たちが通うちょっとしたサロンになっていたみたい。
この建物、歴史を辿ってみると、まさに19世紀のパリを映し出していてなかなか興味深い。
建物の建設はパリの人口が急増してきた建設ラッシュに乗っていて、
建築スタイルは復古王政期のものだったり、
1848年の2月革命の際には、亡命を余儀なくされた王家のコレクションがこのアトリエに密かに移されたり、
1870-71年のパリ・コミューンのときは、避難所になったり。
それで、このアトリエだった部分は夏の間だけサロン・ド・テになっていて、

庭の植物に囲まれながら思い思いに、お喋りをしたり、本を読んだり、
ロマン派時代の優雅なひとときが連想されるようでした。
ところで、モンマルトルの近くにあるこの美術館には、パリを縦断するメトロに乗って行ったのだけど、
パリは大雑把にいうと、南北×東西で4つの地区で性格が大分異なっていて、
メトロに乗って、それぞれの雰囲気を体験するのはけっこう楽しい。
そして何より、こうやっていろんな“世界”の存在を常に目の当たりにすること、
それがパリに住むことだと思う。
等質性に埋没するのが心地いいことは確かだけど、
世界の面白さというのは、居心地が悪いくらいの多様性のなかにあって、
自分もその多様性を構成するひとり―“異邦人”―であり続けることはきっととても大切なことだ。
パリという街は、よく見ると、そんな刺激にあふれている。
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