こっちに来てからずっと気になってる表現に"être en paix avec soi"というのがある。
paixは英語のpeaceに相当するので、直訳すると自分自身と平和な関係にある、ということ。あるいは、自分と仲良くする、といった感じでしょうか。
要するにありのままの自分を受け容れるということなのだろうけど、
これがフランスではとても大事な価値基準になっている気がします。
個人主義の国といわれる所以だけど、
この価値観を体現している友だちの生き方はけっこう説得力がある。
社会的評価に左右されるべきではない、なんてよく言うけど、
実際は他人の目というのはある程度内在化されているもので、
だから自分のなかで葛藤が起きたりするわけだ。
フランスにだってもちろん一定の風潮を生み出す「社会」というのがある。
それでもいろんな人がそれぞれに堂々と生きているように見えるのは、
みながどこかで「好きにすればいい」と思ってるからのような気がする。
社会が寛容で多様な生き方を受け容れているというよりは、
個人個人が自己の生き方を受け容れることで
それぞれが勝手に社会に自分の場所を確保していっているのだ。
こういう生き方に接するのは、まあ疲れることもあるけど、人生を楽しむヒントを得られたりもする。
葛藤を乗り越える、あるいは無効化するという発想、
つまり現実から理想に向かって進んでいけばいいのであって、
理想と現実とのギャップに悩まされる必要はないということだ。
これって単なる視点の転換なのだけど、研究生活においても大事なことなのよね。
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