2008/11/16

espaces arts

卒論ソツロンそつろんって感じの毎日ではありますが、
けっこうのびのびとやってます。

寒い日でもタートルネックの上にマフラーしたりして、ポカポカにして出かけると幸せだし、
晴れた日は朝日を浴びるだけで元気になれるから、
外の空気が入るスペースはちゃんと心にはあるみたい。

とはいえときどき気分転換してリフレッシュすることも大切。
細々と続けてるオーケストラの練習もその1つだけど、
今週は練習がなかったこともあって違う予定を入れてみました☆

1つは仏文の講演会。
Jean-Philippe Toussaintという現代フランス作家がいるんだけど、
彼がときどき映画も撮っていて、
今回は文学と映画の「越境体験」みたいな話。

彼は前に駒場でnouveau romanについて講演してたのを聞いたことがあって面白かったし
今回は短編映画の上映もするというので興味を持ったのと、
もう1つ、彼の講演のときはよく、彼の作品の翻訳を手がけているN先生が
逐次通訳をされていて、それがなんとも「感動的な」通訳なので、それも楽しみに行ったわけです。

どれも期待を裏切らず、
久々に文芸の世界にどっぷり浸かって至福だったのですが、
中でも印象的だったのが、Toussaintが映画と小説の分野をきっぱりと分けたいと主張していたこと。
「無意識的な影響は避けられないにしても、相互のつながりはなるべく断ちたいと思っている」というのです。
ボードレールにおけるsynesthesie(共感覚)のような、領域横断的な呼応にハマる私としては、
けっこう意外な答えでした。
オケの中でソロ弾きをするな!みたいな感じなのか?笑

楽器ってソロで弾くか、室内楽で弾くか、オーケストラの中で弾くかによっても、
それからもちろん演奏する作曲家によっても弾き方は変わってくるわけですが・・・ときには意外な発見も。
というのは、教養学部学生選抜コンサート♪というのを聴いてきたのだけど、
モーツァルトのピアノソナタの演奏に予想外に感動させられたのです。
予想外に、というのは失礼ながら、モーツァルトはオケ曲は好きだけど、ピアノなんてーと思っていた節があって、だけど実は学科の先輩だけどなぜかまったく知らないMさんという人の演奏は、
こんなにやさしい弾き方があったんだ!という感じで、
モーツァルトの浄化作用がピアノから溢れてくる、という純粋な感動を覚えたのでした。
こんな感想を持ったのは私だけかもしれなくて、たまたまピンときたということなのかもしれないけど、
そういう演奏ができるって素敵なことだと思う。

で、私はというと、単純に室内楽やりたくて仕方なくなってしまった。

2008/11/05

RDC

RDCというのは、旧ベルギー領、コンゴ民主共和国のこと。首都キンサシャ。
ブラザビルを首都に持つ旧仏領コンゴ共和国と区別して、よくこの略称を使ったりします。
私がフランス語を習っていたネイティブスピーカーの先生が2人もここの出身の人だったこともあり、
なんとなく気になる、アフリカの真ん中にある大きな国。

世界がアメリカ大統領選一色の今、地球の反対側のこの地域は危機真っ只中なのを知っていますか?
ルワンダをはじめ、この地域情勢は本当に複雑で、ことの発端、といって説明しきれないのだけど、
Laurent Nkunda率いる反政府組織CNDP(National Congress for the Defence of the People)が、数日前からRDC東部のGoma地方を占拠していて、人々の生活状況は悪化、
難民も多数出ているし、(英外相Millibandによると160万人にものぼるとか)
コレラの発症も確認されているらしい。

NkundaはRDC内で少数派民族のTutsiが抑圧されていると訴えているのに対し
RDCの現大統領のJoseph KabilaはRwandaが反乱軍を支援していると非難。
といっても、Tutsiの名前でわかるように、この抗争はルワンダの虐殺、2回のコンゴ戦争とも関連しているわけで・・・。

先週末には、英仏外相がそろってRDCのキンサシャ、Rwandaのキガリ、
さらにはアフリカ連合のトップKikweteのいるタンザニアを訪れたり、
国連もオバサンジョ前ナイジェリア大統領を特任大使として任命したりして、
解決に向けての対策が重ねられているようですが、

話し合いに応じないというKabilaに対し、Nkundaはその場合はクーデターも辞さないという様子で、
事態は予断を許さない感じ。

仏外相Kouchnerは国連軍の増員の可能性を示唆していたけれど、
英仏をはじめとする先進国の利害が絡んでいることはルワンダの虐殺を見れば明らかで、
とても楽観的にはなれない。
Nkundaなんて、武器輸送をしたということで、国連の「制裁対象者」なんていう恐ろしいリストに載っちゃってて、
どうも「世界の悪者」的な感じらしい・・・けどその武器だってどこから来てるのやら。
ちなみに彼のモデルは「他国に支配された民衆に向かって外国からレジスタンスを呼びかける」あの人。ド・ゴールの“精神”(エスプリ)だというのがまた皮肉。
あとはルワンダの時と比べてアフリカ連合がどこまで発達しているかなのだろうか。。。
いずれにせよ、純粋に「人道的」などということは、果たしてあり得ることなのか、とか。

「日本では比較的無条件に肯定されがちな国際機関やNGOを、その活動がより身近で実用的と言われるヨーロッパで、別の視点から捉えなおす」などといって、フランスで見たものは、
何よりもNGOの政治性の強さだったかもしれない。

2008/10/29

en secret...

実は、箱根に1泊プチ旅行に行ってきました。
本当は夏から「中間発表終わったら」ってことで、ひそかに企画していたことではあったのだけど、
旅行してる場合じゃない気もするので、誰にも言わずにこっそりと行ってきたわけです。

箱根って小さいころによく行った思い出の場所で、
鈴廣かまぼこの看板とか、おみやげ物屋にある寄木細工とかが懐かしかったり、
登山電車でスイッチバックのために車掌と運転手が入れ替わるときの様子を見るのが楽しかったり
するのですが、

今回の目的は

ラリック美術館。

アール・ヌーヴォー、アール・デコの時代のガラス工芸家ラリックの作品が、
宝石、香水瓶から、部屋の装飾(後にオリエント急行の装飾も手がけている)に至るまで展示してあって、
かなり充実してました。

私は別にアール・デコのファンというわけではまったくないのだけど、
それでもなかなか気に入った作品もあったし、
少しずつ葉も色づき始めた山の空気にふれて、満足な旅でした☆

 芦ノ湖と富士山。

2008/10/22

pose café

相変わらずコーヒー中毒で、朝、午後、深夜に2杯ずつくらいは必ず飲む毎日。。。

イスラーム文化にコーヒーが入ってきたとき、それがコーランに反さないか大問題となったという話を
この間聞いたけれど、やはりそれなりの効果はあるようで、


集中がきれてきたら、コーヒーブレイクをはさむと、もうひと頑張りするぞという気になるわけです。
といっても寝る前にコーヒー飲んでも平気な私だから、これはもう気持ちの問題かもしれないのだけどw


写真は先日祖父母家へ行ったときのもの。
透明のカップにエスプレッソマシンで淹れてくれた泡がきれいで思わず撮影。

  
こっちは学科の研究室で勉強中。
私の好きなMt.Rainierシリーズの新商品(?)プレミア。
このターコイズに惹かれて思わず買ってみたら、さすがプレミア。美味しかった。
高いからあんまり買わないけれど。というかこの部屋ではコーヒー淹れられるのです。

図書館で眠くなったらここへ来てコーヒーを飲みつつ、
先輩方と交流するもよし。
夕方以降はほとんど誰もいないので、広い部屋、豊富な資料を独り占めして勉強もできる。
最近無線LANもつながるようになったし、最高の環境です。

2008/10/18

cosmos d'automne

花っていうとなんとなく春をイメージしがちだけど、
実は秋ってけっこう華やか。

雨が続くと自転車に乗れないので、
学校まで歩いていくことが多く、そうすると道端の草花にも目がとまる。

中でもやはり一目で秋を感じさせてくれるのは秋桜。
あの細い茎が風にゆれる様子は小さいときからいろんな世界を連想させるんだよね。
だからコスモス(=宇宙)っていうのかなぁとか勝手に思ったり。



もうひとつ、秋といえばやっぱりお月様のきれいな季節。
月も、かぐや姫とか、メアリー・ポピンズの一話にも出てきたような、不思議な世界を持ってる気がする。
 

でもお月様って、万国共通なわけだけど、
同じものを見てるのにフレームが違うだけでなんだか大分違って見えるなあとも思う。

2008/10/09

communication

姉の出勤時間に合わせていつもより早く外に出てみると、
きれいに晴れた秋空が気持ちいい。
いつの間にか金木犀が香ってるし、高校ではそろそろ夏服から冬服への移行期間で、
長袖のボタンを留める感覚が懐かしかったり・・・
やっぱり早く起きるのっていいですね。
これから当分図書館中心の生活になるのだし、自分でうまくリズムをつくらなくては、と思うこのごろ。

こういう生活だからもう1つ心がけようと思うのがコミュニケーション。
中間発表が終わってちょっと一段落ついたことと、新学期が始まったことで、
最近人と会って話す機会が比較的多かったのだけど、
やっぱり論文を書こうと思考をめぐらせたりしていると普段どうしても内向的になりがちだから、
まったく違うことをやってる人と話して新しい空気をどんどん取り込んでいくのってけっこう大切だなと感じたわけです。
巧みに弁の立つ人って、私はちょっと警戒してしまったりするのだけど、
今はいろんな抵抗を取り払ってぐいぐい視野を広げていく時期だと思うし。

ちなみにこっちからも、「私の知り合いにサンゴールを知らない人はいない」ってくらいにしたいなぁ笑。
何を隠そう今日はサンゴール様の誕生日なのです。
フランス語界では今日はル・クレジオのノーベル賞受賞のほうがずっとメインなんでしょうけど。
あ、でもル・クレジオの次の作品はサンゴール追悼らしいですよ。

サンゴールというのは私が卒論のテーマにしている人で、
フランス語詩人、セネガル初代大統領といったところかしら。
最近亡くなったエメ・セゼール(4月の日記参照)と一緒に黒人文化の価値を積極的に評価するネグリチュードの概念を提唱した人です。

セネガルを独立に導いたのだけど、受けたのはフランスのエリート教育で、
彼の思想、葛藤がどんな意味を持つのかっていうようなことを日々勉強しているわけ。
Senghorという名前覚えてください;)

2008/10/01

renaissance

このブログは留学記であって、
7月の帰国をもってその役目は終了したのだから、記録も同時に完結、というつもりだったのですが、
周囲のすすめもあって検討した結果、更新を続けることにしました☆

というのも、私の帰国は1つのサイクルの終わりなわけですが、
同時に新しいサイクルが始まるわけで、
各地で学ぶ同志の情報交換の輪に加わっていられるのはとっても刺激になるのです。

それに、まだまだこれから生活していくなかで、
少しずつ向こうでの経験を消化、体得していくという意味では留学記は続くといえるかも。
というわけで、新しい日常を通して、過去の非日常を振り返っていこうかと。
それをいかに今に取り込んで日常化していけるかが課題なのですが。

前に人生を螺旋階段に譬えたことがあったけど、
現在というのは常に過去を引き受けて発展させてゆくものだと思う。
ルネッサンスというのはそういうことなんじゃないかな。


さて、一応近況報告をしておくと、
帰国してからしばらくは「社会復帰」でバタバタとしてたらあっという間に過ぎてしまい、
8月はけっこうオーケストラの練習に通ったりしてたので
9月は20日以上図書館に通いつめて卒論中間発表の準備をして、気づけば10月!という感じです。

図書館で眠くなったり、イマイチ身が入らないときに聞くのが、フランス語のラジオ。
rfi(radio france internationale)という局のアフリカニュースを聞いて頭を卒論モードにするのです。
最近聞いたのは、ラマダン明けの話。
ちょうどギニア共和国では今年独立50周年を迎えるのでラマダン明けのお祝いと併せて盛大なお祭りが行われたのだとか。
アフリカ諸国の独立が相次いだ1960年はアフリカの年と呼ばれていますが、
セネガルをはじめとする旧仏領の国々が仏大統領を元首とするCommunautéを形成して自治国となる中、セク・トゥーレ率いるギニアは1958年に国民投票で他に先駆けた独立の道を選んだのです。
そして意外に知られていないのが西アフリカにはイスラーム国が多いということ。
ギニアも85%がムスリムだし、セネガルは9割以上。
なんでセネガルばっかり引き合いに出すかというと、卒論の舞台がセネガルだからなんですが、その話はまた今度・・・。
あ、ちなみにギニアの国旗は左から赤・黄・緑の三色旗。
左右ひっくり返して緑・黄・赤の三色旗はマリ。その真ん中に緑の星を足すとセネガルです;)