2008/05/20

nuit des musees

フランスでは国立の美術館は月の第一日曜が無料公開をされていて、という話は何度もしましたが、
そんなフランスが始めて今やヨーロッパ全土に広まっているのが、美術館ナイトという催し。

国立に限らず、この催しに参加表明をした様々な美術館の展覧会がこの晩だけ無料公開。
しかも~ナイトというだけあって、特別に真夜中12時まで開館しているのです。

当然どの美術館も長蛇の列なわけですが、
私はグラン・パレと装飾美術館(musée des arts décoratifs)に行ってきました。

まずグラン・パレ。ここで今メインの展覧会は恐らくマリー・アントワネット展なのだろうけど、
3時間待ち?くらいの様子だったので、少しすいていた“figuration narrative"というパリの1960年代の作品展を鑑賞。ここでブリュッセルで働いているフランス人の友だちを発見。世界は狭いw

しかしグラン・パレに来た目的はnef(=外陣?)という部分の公開。
グラン・パレって

こんな感じで一見植物園?とか思ってしまう様相なのだけど、
それもそのはず、この手前に写ってるアレクサンドル3世橋という超豪勢な橋と共に、
1900年の万博のためのコンペ作品なんですね。
つまりエッフェル塔とほぼ同期。ちなみに使っている金属量はエッフェル塔8000トンに対して、
グラン・パレ8500トンだそうです。

中に入ってみると巨大な空間が広がっています。

そして、国旗の立ってる部分を見上げるとこうなる。

続いて装飾美術館。ここは常設展(=中世から現代までの装飾美術)のほかに2つの特別展も公開していて、しかも意外に混んでなかったので、お腹いっぱい鑑賞しました。

特別展の1つはナポレオンの帝政下での権力のシンボルについて。

蝶や白鳥など使われているシンボルの意味の解説と共に当時の家具などが展示してあって見応えたっぷり。
もう1つは「赤」をテーマにした展示。
緊急を示す赤、情熱を表わす赤、共産主義の赤などなど、これもけっこう大規模な展示だったけど、
コンセプトが面白い。
実は課題の合間だったんだけど、いいリフレッシュになりました☆

2008/05/17

Amartya Sen

翌日のグループ発表について友だちと前夜にメールで相談しながら準備していると、
学校から1通のメールが来ている・・・開封してみると小さな案内。

明日の講演会のお知らせ。14時45分からAmartya Sen教授による特別講演会。

!!!

一瞬目を疑いましたが、ノーベル経済学者、コンテンポラリーの偉大な哲学者、Amartya Senが講演に来る!という突然のお知らせw

ということで、聞いてきました。

 友だちが撮った証拠写真w

テーマはtheories of justice. 

テーマからも連想されるジョン・ロールズの著書"A Theory of Justice"やカントに見られる

倫理的判断における正義の中心性、さらにその単一性の批判というのがメインポイント。

なかなか消化するのに時間がかかっていますが、

一番印象に残っているのはright decisionというのは必ずしもbest decisionではないという話。

何が最良かを知らなくとも、与えられた選択肢を比較して「正しい」判断を下すことはできるというわけ。
ただし各判断にそれなりの背景がついてまわるのだから、正義というのも複数存在しうることになる、ということかな。

でも何かを正しいと判断することは、他のものを正しくないと切り捨てることになるわけで、

正義っていうのは自己主張の盾にすぎないのではないかってちょっと疑問。

そういえばセンはbelieveという単語を使っていたけれど、正義は信仰なのだ。

人々が盲目的に正義に依拠する世界ってけっこう恐ろしい。

2008/05/14

presse

ヴァカンスが終わり、連休も終わり、やっとリズムを取り戻してきましたw
といっても試験を除けば授業ももうあと1ヶ月なんだなぁ。

休講が続いたりしたために、ちょっと課題が重なっているのですが、
最近は偶然にも、時事問題を扱う発表が3連続。

revue de presseというこの種の課題、この学校では10分exposé(プレゼン)に続いてよく与えられます。授業や先生によって違うのだけど、概ね担当の週にあった出来事を、複数の情報源をもとに分析するというもの。
政治学院の学生たる者、世界情勢は常に追いなさい、というのと、
メディアに対して批判的な視点を持ち、1つの出来事を複眼的に捉える癖をつけなさい、という学校方針を実践するのにぴったりな課題というわけです。

実際、ソースはかなり充実してるんだよね。
まず朝早く(1限の終わる10時までに)学校に行くと、エントランスに複数の新聞が山積みになっていて、自由に持ち帰ることができる。
私はだいたいここで、ル・モンド(中道左派?)リベラシオン(左派)フィガロ(右派)の3種類をゲット。
ちなみにル・モンドが一番早くなくなります。(但したぶん置いてる量はフィガロが一番多い)
他にもfinancial timesとかもあったり。

さらに図書館の1室がニュースルームになっていて、そこには雑誌や、以前に書いたテーマごとに記事をまとめたファイル、さらに各国の新聞が蓄積されていて自由に閲覧できるようになっている。

こっちは新聞を「定期購読」するという習慣が日本に比べて少ないのですが、
この2つのシステムのお陰でシアンスポの学生はばっちりサポートされてるのです。
そもそもこっちの新聞は(テレビも!)少なくとも当日はほとんどの部分をネットで入手できるのも学生一人暮らしにはありがたいところ。

そういえば日本でも最近3社の記事を比べるサイトができたお陰でかなり見られるようになりましたが。

それにしても、そうやって読み比べていると、記事にいかに新聞社の色が出ているかに改めて驚かされたりもします。右派左派の読み比べもそうだけど、例えば同じヨーロッパ内でも国の立場によって捉え方はかなり変わるわけで。
アフリカの時事問題を発表するにあたって、ル・モンドで『ジブチ/エリトリア 国境紛争の危機』というような記事をみつけたので、他の情報源を探していたら、
なんとAFP通信の出した「事実」とされる内容自体を否定する情報もあることが判明。
エリトリアが国境を越えてジブチに侵入したとして、ジブチがエリトリアを非難するところから始まるのですが、エリトリア側は侵入の事実すら否認しているのです。
実際エリトリアがジブチに侵入するインセンティブはあまりない。
というわけで、これはジブチの策略だ、という話も挙がっているわけなのですが、
フランスはジブチの旧宗主国で、ジブチに基地も持っているため、この対立では恐らくジブチ側。
AFP通信とはいえ、決してニュートラルではなく、ジブチ側の情報源をもとにしていること自体が既にフランスという国の立場をとっていることになるのでした。
相対化って難しい。。。

2008/05/11

Linnea in Monet's garden

日本は5月の頭がゴールデンウィークだけれど、
フランスも5月はメーデー、昇天祭、終戦記念日、ペンテコステと祝日が多い。
木曜日が祝日だったりすると、金曜日に休みを取って連休にする(これをフランス語では橋をかけるという)人も多かったり。

とはいえ学期も後半に入り、課題も増えてきたため、連休!というわけにはいかなかったのですが、
それでも1日くらい出かけようということで、念願のGivernyへ行ってきました☆
Givernyというのはパリから車で1時間ちょっと、ノルマンディー地方にある、モネの暮らした小さな町で、モネの家、睡蓮の池や太鼓橋で有名なモネの庭が見られる。
実はここの存在を知ったのは、フランスのことなどまだほっとんど知らなかった頃、
リネアというかわいい少女を主人公にしたスウェーデン作家のシリーズ(といっても3~4冊)にはまり、『リネア、モネの庭で』という絵本を読んでのこと。
以来リネアが熱中して周ったこの庭を自分も訪れてみたいとずーっと思っていて、
パリから日帰りできる位置にあると知って、今回の滞在中に行きたいところリストに真っ先に載ったのでした。
よく美術館周りを一緒にする友だちに、Givernyに行ってみたいんだよねーという話をしていたら、
なんと彼女も小さい頃同じ絵本を読んで同じ夢を抱いていたことが判明。
これはもう一緒に行くしかないね、ということで温かくなって花が咲くころに、と交わした約束をついに実行に移したというわけです。

  これがパリにやってきたリネア。かわいいでしょ?

モネの家は外壁が薄ピンク、水色調のキッチン、黄色調の食堂とカラフルでかわいらしい。


彼の作品の複写や彼が集めた浮世絵がたくさん展示してあって見応えたっぷりでした。

4月中旬までの長かった冬が嘘のように、最近は夏のように晴れ渡っているので、お昼は木陰でピクニックというのも気持ちいい。


庭の花も咲き盛り。
 
ちょっとモネの絵に出てきそうな風景があったり。
とっても素敵な夢の実現となったのでした。
残された時間でできる限りの野望を実現せねば。

2008/05/08

Joyeux anniversaire

恐らく一番お世話になっているあなたの誕生日がとってもいい1日になることを遠くから願ってます。
よき理解者、よき教育者、そして超えるべき目標としていつも私の支えになってくれてありがとう。

帰ったらいつでも「活気づけ」に駆り出してね。

2008/05/04

apres-midi a la française

とってもとってもいい休暇を過ごすことができました。

5年前に私の気に入ったのは、フランスの小さな町(注:≠田舎w)の
このリズム、この生き方だった。

そんな様子が垣間見れる、ある午後の過ごし方を紹介します。

その日は、高校の担任(国語の先生)と再会することになっていました。
お昼ご飯に連れて行ってくれるというので、高校の駐車場で再会すると、
「夫も合流していいかしら。もう長いことあなたの噂を耳にしてるものだから。」
とおっしゃる。

こうやって夫婦やカップルを始め、友だち同士でも、
「友だちの友だちは友だち」といった具合に「紹介」することはこっちではよくあること。
この、人の距離感が私はけっこう好き。

そんなわけで、先生夫婦とレストランでお食事。
食事のあと何をするか、という話になる。
「どこか行きたいところはない?」
ホストファミリーのところに行ってもそうだけど、午後は何する、という話になると、
だいたい、どこかへ行く、という発想になる。

ヴァカンスでも地元を離れて、遠くへ行くことで完全なる非日常を満喫するという傾向にあるのと
共通しているのかわからないけれど、
違う町へ行ってみて散歩するというのはちょっとした空き時間の過ごし方みたい。

しかし、そんなわけだからこの町の近郊はけっこう行きつくしているんですよね。
ご夫婦で挙げてくれた候補が次々と却下されていき
すでに3時をまわっていてちょっと遠いかしら、でもせっかくだから、
と、修道院の有名な、クリュニーに連れて行ってくださることになりました。


そんな決定を下したときは、朝からの悪天候も和らいで、日も差していたのです・・・
が、車を走らせているうちに、どう見ても進行方向に黒い雲が待っている。。
と、案の定大粒の雨が降り出し、
到着するころには土砂降り。仕舞いにはj雷は鳴るわ、あられまで振り出す始末。

ずぶぬれになりに外に出て行くのも馬鹿げた話だから、としばらく車内で雨宿りすることに。
そんな車内の会話はいつの間にか日本の話に。
「私たち日本語を勉強する努力はまだしてないけど、ちょっとした基礎はあると思うんだ。」
といって、知ってる日本語を1つずつ挙げていくご夫婦(笑)

さようなら、ありがとう、から始まって、

「タタミ!」

「フトン!」

「キモノ!」

「オビ!」

「ブシドー!」

「カミカゼ(苦笑)」

「あーあれ、なんだっけ、あの紙折るの・・・オリガミ!」

「イケバナ!」



とけっこう出てくる。


フランス語を始めて習ったときにやった「どれがフランス語でしょうクイズ」を
思い出したのだけど、日本語に輸入されているフランス語(ア・ラ・カルトとかカフェオレとか)と同じくらいフランス語化された日本語もあるのかもしれない。

待つこと15分くらい。少し雨足も弱まったので、傘を手に外へ行ってみることに。
16時43分修道院着。



「受付は終了したわよ。」
「・・・だって修道院18時まで開いてるんじゃ。。。」
「1周1時間以上かかるから、受付は16時40分で終わり、書いてあるでしょ?」



所要時間1時間15分と書いてある。?!それなら、16時45分でいいじゃん。今45分じゃん。入れてよ。
微妙な5分の空白。これも、フランスらしい。。。


しかし、ここで引き下がらない先生も、やはりフランス。
「急いで5分前に入った人に追いつくから、大丈夫でしょう?ここにいる子は日本からわざわざ(嘘)来たのよ!お願い、入れてちょうだいよ。」
「申し訳ないけど、レジはもう閉めちゃったから無理です。」(帰宅時間は一刻を争うw)



仕方ないので、外側からだけでも見ながら雨のあがりつつある町を散歩することに。
と、歩いているうちに、修院の出口を発見。
なんと、出口から中に侵入できてしまいました。。
まーすぐに係員が注意しに来たのですが、先生再び、
「受付で、たった5分のために拒否されちゃったんだけど、この子東京からわざわざ来てるからどうしてもどうしても見せたいのよ。」
と誇張した訴えをなさる(笑)
「お気持ちはわかりますけど、規則なんです。」
「東京よ、こんなに遠くから来たのに、もったいないでしょ?彼女明日には帰っちゃうんだから。」(せ、せんせいw)
「じゃーこの1部屋だけ見たら、戻ってきてくださいよ。」
と、訴えが見事成功して、恐らく一番見応えのある、柱頭の残っている部屋を見学できることに。



(この柱頭の周りを巡礼者が祈りながらまわったとか。屋根は船と同じ仕組みで建ててあり、当時としては画期的な建築だったよう)

「許可してもらったんだから、しっかり見なきゃね」
ということで見学したあと、修院の一部を使っている美術学校の中庭へ。
  (嘘のように晴れた空、でもよく見ると水溜りが。。。)

ここから学校の中を通って外に出られるんじゃないかと、歩きまわっていると、
見学路の続きを発見w

そこから“もぐり”見学が始まりました。。。全て進路を逆行しながら、全過程を見事見学。
「私たち、68年時代の産物だから反抗的なの(笑)」とご夫婦。



お陰で忘れられない午後となったのでした。

2008/05/01

muguet

今日は5月1日=メーデーでフランスでは休日です。
ちなみに今年は昇天節も重なって2重の祝日。
そして5月1日には幸運をもたらすというスズランの花束を親しい人に贈るというのがしきたり。



どこへ行っても、「5月1日、メーデー、スズランの日」といった感じで
2つが並べて書いてあるのだけど、どうも2つは結びつかない。

ということでフランス人に聞いても、みんな知らないと言う。高校の歴史の先生も知らなかった。。。


でも気になる。

ので調べてみたら、

5月1日にスズランを贈るという習慣はルネッサンス以来のものだということ。
古くから5月1日は春の訪れを祝うお祭りなんですね。
冬が明けて航海に出られる初日だったり、
ケルト暦の新年だったり・・・。

そんな春のお祝いで、あるとき幸運をもたらすというスズランを贈られたシャルル9世が、

翌年から宮廷の女性たちにも同様にスズランを贈るようにしたのが始まりだとか。

ただし今日のような広がりを見せたのはやはりメーデーができてから。

財政難の労組が、この習慣を使ってスズランを売ることで乗り切ったことで、毎年恒例行事になっていったみたい。

自分で摘んできたものだったら誰でも売っていいので、

この日は小さい子が道端で花束を売ってる姿もみかけます。

ちなみに、スズランって原産国は日本なんだよね。