今週末は、最近開館したばかりの「国立移民史記念館」に行ってきました。
朝日新聞でもちょっと話題になっていたようだけど、
この博物館はいろいろと争点の多い場なのです。
実は工事が遅れたために政権が代わってしまったらしく、時期が時期だし、
名前を見ただけでも論争が想像できそうですが・・・
簡単に言えば「移民がフランスにもたらした功績を讃え、国民の移民に対する見方に新しい視点を提供する」ことを目的とした博物館、
発案はなんと1989年の移民2世の市議のものに遡り、
2002年にルペンを破ったシラクが移民系の人々との連帯を示す必要性に駆られてゴーサインを出すまでずっと滞っていたとか。
でも結局開館したのは強硬派のサルコジ政権下だったために、国立の博物館なのに開館セレモニーは行われず、閣僚も訪問せずという結果に終わったのです。
というのも、サルコジは今回「移民と国民アイデンティティ省」なるものを設立していて、
それに対してこの博物館関係者が「蔑視」と抗議して委員会を辞めるといった騒動があって以来
国立であるにも関わらず、この博物館と政府は対立しているわけ。
現政権は、移民の家族にDNA検査を要求する法律を通そうとしてもめてるくらいだし。。。
移民はフランスにとって外的な要素ではなく、もはや内在的なものになっているという意識はまだ薄いのかなぁ。
開館に至る経緯のほかに、もう1つ大きな特徴は、立地。
この博物館が使っているポルトドレ宮という建物は、「植民地博覧会」が開かれたところなのです。
その後そのコレクションを展示するアフリカ・オセアニア美術館に替わり、
その中身がシラクによって新しく建設されたケ・ブランリーの美術館(前述)に移動して
移民史記念館の設立が決まったのです。
植民地博で植民地の成果を展示していたところに、
その責任を問うような移民に関する展示をするということは、
「国家」としてかなり大胆な決断だったのではないかと思います。
フランスの美術館・博物館は、その政治的、教育的機能が全面に出ているように感じられる。
移民史記念館の内容もまだ発展の余地があるけれど、
このような主旨の博物館がこの時期に開館にこぎつけたこと、
そして開館記念で無料公開していることもあって、かなりの列ができていたことだけでも大きな価値があると言えるんじゃないかな。
さて、博物館見学のあとは、サンドイッチを買って近くの公園へ。
湖があって、ヴァンセンヌの森につながる大きな公園で、
天気もいいし、すごーく気持ちがいい。
日向ぼっこしている老夫婦がいたり、犬と子どもとサッカーしてる家族がいたり。
私も友だちとお喋りしながら、のんびり散歩して、時の流れを味わう、絵に描いたような休日でした。
こっちへ来てよく思うのが、人間味が溢れているということ。
そのせいで、不便なこともあるし、見たくないものも見えてしまう。
けれどその方が、効率がよくてきれいすぎる東京よりも、ずっと自然で居心地がいいみたい。
私がétrangère=よそものだということもあるのかもしれないけれど、
ここでは自分のリズムで生きていくことができるのです。
・・・そんなフランスにだけは、効率性を追いかけてほしくないのですが。。。
2 件のコメント:
お!M田っちの授業とどんぴしゃの内容だ!
(彼をM田っちなんて呼べるのは、他学科の私(今日21歳になった例のお調子モノ)ぐらいしかいないだろう笑今のうち今のうち…)
>カメリア
先生の授業取ってるの??
こっちで生活してると、駒場の授業とつながることがけっこう多いんだよね!
…ちなみに、このブログ私の学科のいろんな人が見てくれてるみたいで、もしかして、先生が見てらしたり?!って可能性を最近教えてもらったよ;
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